03年活動開始。デザイナー、デバイスデベロッパー、プログラマーからなるデザインチーム。グラフィックデザイン、プログラム、ネットワーク技術を駆使して多様なメディアをデザインしている。東京インタラクティブ・アド・アワード、カンヌ国際広告祭、クリオ賞、One Show、ロンドン国際広告賞、D&AD、NY ADCなど国内外の広告賞を多数受賞。
www.semitransparentdesign.com
AB-ROADには時期によって増減はあるものの、約45,000を超える数のツアー情報が登録され検索可能な状態にありました。そして具体的な旅行のプランを持ったユーザが目当てのツアーを検索ためのインターフェースは同サービスには既に兼ね備えてありました。そういった状況を踏まえた上で、おもしろさ・探しやすさ・新しさ・意外さという4点をアイディアを考えるためのグリッドとし、吸着したり、離れたりバランスを見みながら試していきました。
ボタンをクリックしたり、フォームから検索したり、ウェブサイトで「選ぶ」とか「探す」という行為はインタラクティブなものです。一方、この作品のただ上へスクロールし続けるテキストは、ユーザの意思とは関係なく流れる受動的なものと言えます。
You Have a Choiceという題をつけた作品の最終的なコンセプトは、ウェブサイトで一般的な能動的な選択から、「なんとなく手に取る」という意味での弱い選択の感覚変換を表現する事だったりします。自分の選択だけでは辿りつきにくい「気づき」にスポットをあてるような意図でデザインしました。
ネット上には「映像」や「写真」から「友達のつぶやき」まであって、私たちの生活にすっかり浸透しきっています。インターネット上を流れる時間のスピードはますます早く感じる一方、そこで費やす時間は他人とは非同期で個人的なものであることも多いと思います。私はそんな中に、時間のある夜にゆっくり本を読むような感覚で5分くらいかけて見るようなウェブサイトがあってもいいと思っています。本や音楽から何かを感じて、はっと気づかされたりする体験はたとえユーザ自身が受動的な立場であってもインタラクティブな体験であると信じています(もちろん一つのウェブサイトに長時間滞在してもらうことはとても難しいことなのですが…)。
そういった意味で作品に対して気をつけた点は、あまり作り手の側で起承転結を設定しないこと、ただ眺めていられる程度の演出をすることでした。
この作品のための大きなビットマップフォントは文字・記号として情報表示するため可読性というよりも、グラフィックとして成り立つように、そして細いラインをシャープに見せるために制作しました。(ちなみにフォントサイズは90pxと125pxの2種類です)
そして、それらのフォントはユーザのディスプレイサイズによって切り替わり、作品の全体の印象がかわるようになっています。また、ウィンドウの比率を横長に変えると"縦長に直してください"というアラートがでて表示されなくなったりと、従来のウェブサイトよりもすこしわがままなデザインになっています。
これは隣のデスクの同僚と見比べたり、自分の家と友人の家のパソコンとで見た目が変わるような、ばらつきを要素として含ませたかったためです。